酔狂 Calligraphy

2013年5月8日水曜日

晩春の俳句を書く アネモネ




キンポウゲ科。
地中海沿岸の原産で、明治初年に渡来した。
球根からてのひら状の葉を出し、三十センチくらいの花茎を数本出して、芥子に似た花を開く。
色は赤、ピンク、紫、青、白など。

アネモネや千里の先に吾を置き栗林千津

2013年5月7日火曜日

晩春の俳句を書く 海女




海に潜って、貝類や海藻類を採取する女性のこと。
磯近くでもぐる磯海女と、沖へ出て漁をする沖海女とがいる。
春の若布採の解禁のころからから潜り始める。

還暦の海女の被れる真水かな宇多喜代子

2013年5月6日月曜日

初夏の俳句を書く  鯉のぼり



鯉幟(こいのぼり)は旧暦5月5日の端午の節句に、男児の健やかな成長を祈って立てる。
これは鯉が出世魚で、立身出世につながり縁起が良いためである。
新暦では5月5日は春であるが、旧暦では夏にあたる。
ゆえに、端午も鯉幟も夏の季語である。



こいのぼりかたちがあってないような   山崎聰

2013年5月5日日曜日

初夏の俳句を書く  若葉風



太陽の光を透かして見える若葉には、筆舌に尽くし難い美しさがあり、
木の種類によってもまた、おのおの独自の色相を持っています。
晴れた日ばかりか雨の風情にも 


往き来する天空回廊若葉風藤生理可


2013年5月4日土曜日

初夏の俳句を書く  牡丹




花の王といわれる中国渡来の花。初夏、白や紅、黒紫など芳香のある大輪の花を咲かせる。
花の姿は華麗で、寺社の庭園などで観賞用に栽培されてきた。漢詩人、なかでも白楽天が
好んで詠んだ。俳句でも牡丹の名句が多く詠まれているが、画家でもあった蕪村にとりわ
け多い。奈良の長谷寺、当麻寺が牡丹の寺として有名である。

この世から三尺浮ける牡丹かな   小林貴子